冨田 潤 Jun Tomita
生きることと、ものを作ることは同義である。
それはつまり、仕事が生活そのものであり、
日常の労働に‘遊び’も‘美意識’も存在する。
織るように暮らし、描くように織り、
インテリアとしての染織に永年にわたり携わってきた。
作品が使い手の日常生活に溶け込み、時間が経過していく中で、
自分自身が制作を通して感じた時の流れや、
自然と対峙する時に得られる様々な感覚を、
作品を通して感じてもらえればと織り続けている。
常に絵画でもなく、染あるいはプリントでもなく、
〝染織〟ということを意識して仕事をしたい。
そういう意味で、あるいはそれを超えたところで、
アメリカの染織作家であるシーラ・ヒックスが述べた、
私の作品に関するコメント、
「質感のある色であり、
深みのある色感を持った布—Colored Texture and Textured Color—」
を常に追求していきたいと考えている。
- 1951
- 富山県に生まれる
- 1976-78
- 南オーストラリア州立工芸研究所「The Jam Factory」にて招待研究員として働く
- 1978-81
- 英国立大学「West Surrey College of Art and Design」卒業
- 1981
- 「Craftsmen of Quality」に英国工芸協会から初の日本人として選出される
- 日本に帰国
- 1982
- 京都嵯峨に工房を開き今日に至る
主な展覧会
- 1993-95
- Waves:現代日本の染織/トロント美術館他カナダ国内巡回
- 1995
- 富山の美術/富山現代美術館
Japanese Studio Crafts/Victoria & Albert 美術館 - 1996
- 日本の5人のテキスタイルマジシャン展/パリ、フランス
Textile Wizard展/イスラエル美術館 - 1997
- Fiber Art in the 90’s/N.J.ビジュアルアートセンター、USA
- 1998-01
- Structure and Surface/Contemporary Japanese Textile展/ニューヨーク近代美術館セントルイス美術館、サンフランシスコ近代美術館などを巡回
- 2002
- 冨田潤展/ギャラリー遊形・京都
- 2003
- 冨田潤展/ぎゃらりー図南・富山 SOFA/New York,SOFA/Chicago 以後毎年出品
- 2004
- 冨田潤染織展/space TRY・東京
冨田潤染織展/ギャラリー蒼・仙台 - 2005
- 冨田潤染織展/ギャラリーにしかわ・京都
冨田潤展/ぎゃらりー図南・富山 - 2006
- 冨田潤作品展/銀座「日々」・東京
- 2007
- フランクバウアー・冨田潤二人展/アートライフみつはし・京都 space TRY・東京 巡回
Coloured Textures : Jun Tomita and Art of Kasuri 個展/The Daiwa Anglo-Japanese Foundation・ロンドン - 2008
- The International Asian Art Fair/ニューヨーク
Colour Boundary. 二人展/JamFactory・オーストラリア - 2009
- 冨田潤 帯展-KASURI-/青山 八木・東京
冨田潤 TEXTURED COLOR展/CLEAR EDITION & GALLERY・東京
コレクション
- スタンソープ美術館、南オーストラリア州立美術館/オーストラリア
- オスロー国立美術館/ノルウェー
- イスラエル国立美術館/イスラエル
- ステデリック美術館、ロッテルダム美術館/オランダ
- デンバー美術館、セントルイス美術館、Long House Foundation
- クーパーヒューイット美術館/アメリカ
- ビクトリア&アルバート美術館/イギリス
- 富山県立美術館/日本
受賞・研究奨励
- 1978
- Rug Competition in Australia 178 最優秀賞受賞/オーストラリア
- 1983
- 京都クラフト展 優秀賞/京都新人芸術家賞に選出
- 1986
- ジャパニシモ186 ゴールデンジャパニシモ賞受賞
著書
- 1982
- Japanese Ikat Weaving/Routlege&Kegan Paul 社・イギリス
- 1996
- 現代の織/至文堂 共著
- 1999
- 織りを学ぶ/角川書店 共著