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経糸を機に巻き取る
2013/04/12
染織を始めてから40年が経ちました。
この間に日本のいろんな方々の工房を見る機会がありました。
また幸いにして日本をはじめオーストラリア、イギリス、アメリカ、北欧3国、
スイス、オランダなどの国々の美大で教える機会をいただきいろんな工房や設備、
道具などなどを見る機会に恵まれました。
私は主に日本の絣の技法を教えることを要請されて行ったのですが
教えにいって思い知らされたのは日本でやっていることをそのまま
伝えられないということでした。
文化や設備、道具の違い、素材や状況や時間的制約などを考えると
自分でやっていることを丸ごと伝えても意味がないことも多々あるということです。
そこでその場に一番あった改善策を考え、提供することを心がけてきました。
その経験が自分自身にとっても非常に勉強になったと思います。
この経験が私に一つの大きなヒントを与えてくれました。
染織をしていくとき、それぞれの行程をいつも同じようにする必要は
ないということです。また、この道具はこのようなときにこのように使うもの
という風に限定しないということです。
そのときの状況や素材などと相談して決めてやればいいということです。
また道具に関して云えば、今自分がしたいことに必要なものを見つけて
使う、まさしく手の延長のものを探してやるということです。
それが常識的にはおかしくても必要であればそれでいいのです。
私の工房にはあっちこっちに漬け物石やブロックが散在しています。
誰かにちょっと持っててもらう代わりやおもし代わりに重宝しています。
そしてどうしても必要とあれば自分でつくる、あるいはその道具を改造する
そういう度胸も必要になります。
こういう風に私が思う事、考える事を今自分がやっていることに
照らし合わせながらこれから少しづつ書いていきます。
染織を勉強している人ややっている人に役に立てればと願います。
さて経糸巻きです。
今回は半幅帯を2本分、部分整経器を使って整経しました。
![](https://juntomita.img.jugem.jp/20130331_380940.jpg)
![](https://juntomita.img.jugem.jp/20130331_380939.jpg)
その整経器から直接工房の隅に設置された千巻きに引き延ばし
(とりあえずは帯1本分の長さを)経糸をピンと張った状態で
染めます。(この染めのことは後日また)1本分が染め終われば
その経糸を上記千巻きにいったん巻き取ります。
つまり部分整経器から残りもう1本分の経糸を引き延ばしてやります。
そして残りもう1本の染めを施します。
染め終わったら凸凹のついたクランプで経糸がずれないように
しっかり止めてやります。(写真手前の黒いもの)
![](https://juntomita.img.jugem.jp/20130412_399821.jpg)
今度は部分整経器から経糸を外し織り機本体に括ります。
整経の始めにつくった輪を利用してロープでジグザグに止めました。
![](https://juntomita.img.jugem.jp/20130412_399828.jpg)
あとは染め上がった経糸とむこうの千巻きに巻かれているもう1本の
経糸を織り機のほうの千巻きに巻き取ります。
![](https://juntomita.img.jugem.jp/20130412_399838.jpg)
今回この作業まったく一人でやっています。
そこで必要なのは手前の機に巻き取る分向こうの千巻きに
巻かれた経糸が出てくれないとこまります。
バネを使ってフリクションブレーキを利用しこの問題を解決しています。
![](https://juntomita.img.jugem.jp/20130412_399831.jpg)
以上。
今回はこのような手順でやりましたがいつも同じではありません。
なにかの役に立てば幸いです。
冨田潤
https://juntomita.com/wp
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